第32回 調査研究方法検討会  

※当検討会への参加は日本外来小児科学会会員であれば可能です。  代表 伊藤 雄平 (久留米大学)

□第32回調査研究方法検討会 開催予定 2005年3月19日(土)~20日(日) ※3月26-27日と案内していましたが一週間繰り上がりました。 

※20日-21日は、連休ですので、宿泊・交通機関の予約はお早めに (2004年12月)

  • プログラム 下記  ※【第32回調査研究方法検討会・かわら版】はスクロールしてご覧ください
  • 日時 2005年3月19日(土)~20日(日)
  • 日程 6日(土)午後6時~午後9時、7日(日)午前9時~正午予定
  • 場所 高松市
  • 会場 高松シンボルタワー14F、三共株式会社四国支店会議室 
  • 住所 〒760-0019 高松市サンポート2-1
  • 電話 TEL:087-825-5301
  • アクセス→  JR高松駅より徒歩1分
  • 会場費 ¥2000 当日徴集
  • □宿泊は  ご希望の方は、全日空ホテルクレメンテを15室ほど確保しています、希望の方は→こちらへ  3月15日最終締め切り
  • 会食 19日土曜日、終了後 全日空ホテルクレメンテ高松
  • ■11日午後11時30分からリサーチ委員会を開催します。(委員のみ)
  • ご発表の方へ:発表形式をできればOHPでしていただければ助かります。耐熱のOHPシートを用い,手持ちの資料をコピーするだけでOKです。スライドやPCプロジェクター希望の方はあらかじめお知らせ下さい。
    資料としてOHPシートと別にOHPのコピーを30部ほど御持参お願い致します.
  • 今回、鈴木英太郎先生のお世話で、山口大学医学部教授:市原清志先生の御講演を賜ることとなりました。土曜日にエクセルにてデータを提出いただければ、解析して20日(日)に提示して頂けるとのことです。ご希望の方はお持ち下さい。

演題募集:○各演題について、結果を論じるのではなく、調査研究方法に的を絞って討論していきます。
     ○すでに本研究会などで発表した演題・研究計画作成段階の演題・研究調査進行中の演題・ネットワーカーを募る演題などを募集します。
     ○本検討会はリサーチ委員会に属しています。リサーチネットワーク[子どもネット]はリサーチ委員会の別働隊です。 ※今回は終了しています

呼びかけ:日本外来小児科学会の会員ならだれでも自由に参加できます。
興味ある方をお誘いください。興味ある人にこの案内を渡してください。

参加、不参加にかかわらず以下の件を折り返しメールでお知らせください。
案内をE-mailへ変更予定のため、今後も案内希望の方は必ずメールアドレスをお知ら
せ下さい。

氏名               FAX          
   
※メールアドレス:    
○第32回調査研究方法検討会に   参加する   参加しない
○19日(土)終了後会食を     希望する   希望しない ※会食ご参加希望の方は3月15日までにメールで連絡を→E-mail 
○演題を              出す    出さない
   出す場合は演題名
   
                                      
   
連絡先:杉村こどもクリニック 杉村 徹  → E-mail

第32回 調査研究方法検討会・プログラム 3月18日付け 

【3月19日・土曜日】
6:00PM 「地方活動の活性化とグループ研究」                   田口義行、鈴江純史他(徳島小児外来交見会)
6:30PM 「乳幼児においてのインフルエンザワクチン皮内接種の有効性(皮下接種との比較検討)」杉村 徹 
7:00PM 「インフルエンザ」                                鈴木英太郎 
7:30PM 教育講演:「臨床における適切な研究デザインとデータ解析法の実際」山口大学医学部保健学科病態検査学教授 市原清志先生
9:00PM 終了予定
9:00PM 会食  
【3月20日・日曜日】
9:00AM  「症候群サーベイランス構築のための基礎的研究」          大日康史 ※演題の順番が変更になりました
9:30AM   「日本外来小児科学会のリサーチアクティビティに関する調査研究」 藤澤卓爾
10:00AM 「初めての熱」                         日野利治 ※演題の順番が変更になりました
10:30AM 「外来での医療事故の検討-PROS projectとの連携を考える」     斎藤 匡
11:00AM  「外来でのリサーチインタレスト調査」               伊藤雄平
11:30AM 終了後 リサーチ委員会

□参加予定者数28名 (3月18日現在)


【調査研究方法検討会かわら版】

                                2005.4月5日発行
第32回調査研究方法検討会開催
 去る3月19日(土),21日(日)三共株式会社四国支店会議室(高松)にて第32回調査研究方法検討会が開催されました。場所の設定・準備などは永井崇雄理事、藤澤卓爾先生、鈴江純史先生のお世話になりました。また、鈴木英太郎理事のお世話で山口大学医学部教授 市原清志先生のご講演も行われました。

今回のトピックス
19日(土)
○「地方活動の活性化とグループ研究」  田口義行、鈴江純史他(徳島小児外来交見会)
 徳島県における日本外来小児科学会員間での情報交換会として、徳島小児科外来高見会を平成14年から年2回開催。今後活動を活性化のためにグループ研究をスタートすることとなった。今回のグループ研究テーマ(仮題)を『(フォーカス不明の乳幼児)小児発熱患者に対する48時間以内の血液検査実施効果について』とし、西村龍夫先生らにより作成中であるガイドライン(案)を用い、本ガイドラインに準じて診療を行う施設と各自の判断で行う施設の2群に分け、抗菌薬の投与数や診断、処置、入院数、重症感染症数、転帰などを調査する試みです。ガイドラインが作成中であることや、施設の規模、フォーカス不明の定義の問題について議論されました。

○「乳幼児においてのインフルエンザワクチン皮内接種の有効性
  (皮下接種と皮内接種との比較検討)」 杉村  徹
本邦において乳幼児におけるインフルエンザワクチンの有効率は低く、その原因としてい接種量の問題も推測されます。最近米国で成人での少量皮内接種が通常量の皮下筋注接種と同等の抗体上昇をみとめた報告がありました。本研究は、乳幼児において皮内接種することで抗体価の上昇を皮下接種よりも期待できないかの試みです。規定外の方法でのワクチン接種の問題や、抗体の検査方法、乳幼児におけるインフルエンザワクチンの有効性に関する他の報告も含め、さらなる検討が必要との意見がありました。

○「インフルエンザ」 鈴木英太郎 
 2003/2004インフルエンザ流行期におけるインフルエンザウイルス分離と迅速検査についての報告をして頂きました。鈴木小児科医院を受診されインフルエンザを疑った児に対し、迅速検査とウイルス分離を同一検体から行い、精度80%以上の良好な成績がえられています。また、検体の採取のために、鈴木先生が独自に工夫されている方法(キット付属の綿棒でなく、枝が針金でできた弾力性の細い綿棒を購入し、鼻咽頭後壁から採取)も紹介されました。採取方法の工夫でより検出率がよくなったとの事です。                       

○教育講演:「臨床における適切な研究デザインとデータ解析法の実際」
               山口大学医学部保健学科病態検査学教授 市原清志先生
臨床研究には統計処理が重要です。今回、研究デザインに合わせた統計処理法についてご講演を賜りました。実験的研究が観察的研究かで統計処理法が根本的に変わること。実験的研究(介入研究)の場合は単変量解析を利用し、有意差検定を行います。観察研究(調査研究)の場合は多変量解析が必須であり、患者対照研究型では多重ロジスティック解析、集団調査型では重回帰分析、コホート研究ではCox回帰での統計処理法を行います。それぞれについて具体的に病態と関連した臨床例を示され、詳細にご教授いただきました。複数の因子が病態の有無や検査値に関与する場合、多重ロジスティック分析により、どの因子がより関連が強いかなどの検討が必要とのことです。市原先生独自に開発された解析ソフトを用い、スクリーン上で複雑なデータが瞬時に解析され驚くばかりでした。また、今回の検討会での他の演題についても、データをその場で入力され解析していただきました。

20日(日)
○「症候群サーベイランス構築のための基礎的研究」 大日 康史
 近年、SARS、新型インフルエンザ、バイオテロなどのアウトブレークのリスクがあり、新興・再興感染症の流行をいち早く探知し公衆衛生的対応をとる必要があります。そのためには、従来型の確定診断後のサーベイランスでは感染症の検出に時間がかかり、流行をいち早く知る方法として診断前の症候群サーベイランスシステムの構築が必要です。電子カルテを導入している医療機関において特別な負担をかけずに、一般診療の中で入力された症状(発熱、咳、発疹、下痢、嘔吐など)を自動出力させサーバー側で自動入力・解析を行い、流行をリアルタイムに予測する試みです。個人情報保護法上の問題や費用については国立感染症研究所で対応されます。来年度からリアルタイムサーベイランスの基礎実験のため参加医療機関募集の予定です。

○「日本外来小児科学会のリサーチアクティビティに関する調査研究」 藤澤 卓爾
本学会(会員)のリサーチアクティビティの現状を知ること、ベースラインを作ること、リサーチ委員会の活動をPRする事を目的として調査する試みです。全会員へのリサーチ活動、意識に関するアンケート調査や研究成果の調査(発表や論文など)を行います。その結果を年次集会や本学会誌に定期的に調査し報告してしていく試みです。アンケートの内容や米国小児科学会での報告例などについて検討されました。

○「初めての熱」 日野 利治                                             
初めての熱をみとめた年齢や疾患、また、家族環境、周産期その他の関連因子を調査することで、適切な育児情報を与えることで家族の負担を軽減できないかを目的とした研究です。今回の122名の調査では、第2子以下の児での発熱年齢は平均7.5カ月で第1子での9ヶ月より早い結果です。また突発性発疹が34%でした。体温の基準も含めた初めての熱の定義や、季節ファクターの問題、 第1子と第2子との発熱の原因の違いなど複数の因子が影響しており、今後、それぞれの因子の関連について分析が必要との議論がなされました。

○「外来での医療事故の検討-PROS projectとの連携を考える」 斎藤  匡
小児科外来における医療行為に伴う医療事故・ニアミスについて実態を把握し、今後の防止策につなげることを目的とし、本学会員の所属する全施設を対象とたアンケート調査です。31回調査研究方法検討会では、、用語の定義の問題や、具体的な例文集の作成、またクリニックのバックグラウンドの把握、記入担当者の選定などが検討されました。今回は、米国小児科学会のリサーチ組織であるPediatric Research in office Settings(PROS)と共同研究を行うため、2003年3月に米国で行われれ調査Learning From Errors in Ambulatory Pediatrics(LEAF)も含め、Webを用いる調査での個人情報保護や倫理的問題、エラーの定義、自由文の必要性などについて検討されました。

○「外来でのリサーチインタレスト調査」 伊藤 雄平
本学会員のリサーチ活動に対する意識調査です。リサーチアイデアバンクの認知度や、リサーチそのものへの興味の有無、学問的興味分野の調査です。また、興味あるテーマやアイデアについての調査も行う予定で、調査を通じリサーチへ興味ある会員の発掘によりリサーチ活動がより広がることを期待します。本調査は、藤澤卓爾先生の「日本外来小児科学会のリサーチアクティビティに関する調査研究」と趣旨が同じであるため、合わせて調査を行うこととなりました。

連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2 杉村こどもクリニック 杉村 徹 
FAX: 0942-52-6777(または52-8510), E-mail: sugimura@kurume.ktarn.or.jp

※次回予定 第33回調査研究方法検討会は、2005年7月16日-17日・札幌市で開催の予定です