MTE


【1】下気道感染症乳幼児の上咽頭から検出された肺炎球菌とインフルエンザ菌の疫学−小児細菌ワクチンの集団免疫と抗菌薬感受性におけるインパクト−

8月26日(日)午前 9:50〜10:35

肺炎球菌とインフルエンザ菌は生後間もない頃より乳幼児の上咽頭に定着し、細菌性髄膜炎や菌血症などの全身感染症と急性中耳炎や肺炎などの局所感染症を惹起する。
当科では乳幼児下気道感染症例の原因菌想定と、肺炎球菌とインフルエンザ菌の薬剤感受性の監視を目的に、経鼻腔上咽頭培養を行ってきた。2003年秋からはインフルエンザ菌検出株についてHibの特定を開始した。また、2010年2月にPCV7が導入され、2011年2月には公費助成を得て接種者が増加したことから、10年と11年に検出された肺炎球菌株を対象に血清型を調査した。
今回、Hib検出率とインフルエンザ菌のアンピシリン耐性率、肺炎球菌の血清型とペニシリン(PCG)およびマクロライド(EM)耐性率の変化を提示し、ヒブワクチンとPCV7の普及が個人免疫と集団免疫に与える効果と今後の課題について考察する。

【2】子どもの骨が危ない! 〜成長期の骨軟骨障害〜

8月26日(日)午前 10:40〜11:25

投手の腕は長くなっているのでしょうか。何年もボールを投げているから発達して太く、そして長くなっていると思いますか。実際にはほとんど長さは変わりません。むしろ高校生投手では短い選手が少なからずいることがわかっています。これは上腕骨の近位骨端線が障害されて縦軸方向の成長が阻害されてしまったからです。1〜2cm短い選手から5cmも短い選手もいました。成長期の子どもには骨端という「骨の製造工場」があります。この部分は木の新芽に相当するところで脆弱で傷つき易い構造になっています。伸び盛りの子どもはこの骨端が障害されて様々な問題を起こします。本講演ではこの骨端のスポーツ障害について代表的な事例を交えてお話します。
事務局からのひとこと
学生のときに整形外科が得意だった・・・なんて小児科医は少ないでしょうね(笑)
でも小児科は健やかな「成長」を見守る科です。子どもの骨の「成長」のこと、スポーツだって何でもとことんやればいいわけじゃないこと、ぜひこの機会にお聴きしましょう。私たちがびっくりすることばかりだと思います。