保育園・幼稚園・こども園・小学生などのマスク着用についての調査
調査主体: 日本外来小児科学会理事会(診療部会)
ご注意:この結果を活用、引用される場合は、出典を明記し、改変を加えないようにお願いします。
有効にご活用ください。
調査の概要
調査期間
調査の案内メールと質問フォーム期間
- 調査協力依頼メール
- 新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、日本の状況も一変しました。
つきましては、私たち外来小児科学会の会員の中でアンケートを実施し、現況、それぞれの考え方などを知り、集計結果を共有して、行動変容に生かしていただきたいと考えております。
子どものマスク着用について、アンケートを作成しました。
6月19日金曜日に締め切り、集計した結果を来週以降発表する予定です。
- 質問フォーム(画像)はここをクリック
調査対象および回答数
- 日本外来小児科学会の一斉メール送信システムを利用し、2020年6月14日に、メールアドレス登録をしてある 1471名に調査協力依頼のメールを送信し、乳幼児~小学生のマスク着用について、会員がどのように考えているかを回答してもらいました。有効回答数は262でした。
回答者262名の背景
回答者の93%が、小児科を第1標榜とする医師であった。
重複回答になるが、多くの会員(87%)が、園医や校医をしていました。
各年代のマスクの着用についてどう思うかについての回答
質問は、各年代とも共通で、
- 「 」のマスクについてどう思いますか?あなたの意見に最も近いものを選んでください。
(「 」に、0~1歳の園児、2~3歳の園児、4歳以上の園児、小学校1~3年生、小学校4~6年生 という文言が入ります)
となります。現時点の状況で、診療圏の地域でを想定して回答していただきました。
選択肢は、
- 必ずつけるようにするのが良い
- できるだけつけるようにするのが良い(いやがる子にはあまり強制しない程度)
- 保護者や本人の自由にまかせるのが良い
- できるだけつけないようにするのが良い(つけたい子がつけるのは仕方ないがすすめないという程度)
- どの子どももつけないようにするのが良い
- 上記のいずれでもない
の6つから1つを選ぶようになっています。
年代別にパーセンテージを示すと、次のようなグラフになりました。
上記帯グラフのように、各年齢層ごとに、マスクの必要性(室内保育、室内授業)をどう考えるかにかなりの違いがでました。
自由記載欄に書かれていたこと
地域名が書かれていたところは、伏せて掲載しました。
- 自粛警察;が怖くてマスク着用診察をしていますが、いつからマスクを止めるか迷っています。
- 4歳未満の児のマスク着用は、これからの季節、熱中症のことを考えると、保育園では管理しづらいと考えます。乳児では窒息の事故を考え、不要と思います。以前よりも登園時の児の状態を把握することが大事と考えています。
- standard precautionsの順守がマスクより上位に来と思います。よい感染防止教育のチャンスです。
- インフルエンザなみの対応でいいと思うが、学校側が厳しい。心のケアがこれから大変です。
- これから夏期に入りますので熱中症に注意が必要である。
- コロナのためだけではありません。
- その地域での流行状況によるが、未就学児では、適切な着用が困難だと思われる。それ以上に先生が児の顔色などの変化を見落としやすくなり、マイナス面の方が大きいと考える。
- できるだけつけるようにするか、できるだけつけないようにするかは状況によるかなと思いますが、学校という現場で、人とのふれあいの中で学んでいく環境において、また自分の体調不良(熱中症の前兆など)を自ら気づき自主的にマスクを外すことは難しいと思われる低学年にマスクの着用は害の方が多いように思います。学校に登校できる状況と判断し開校しているこの状況ならば、このコロナウイルス
に関しては子供の感染、発症は少ないという統計からも基本的にはマスク着用はあまり意味がなく害の方が大きいように思います。口元が見えないことも安心感より不安感を招く危険もあると思いました。
- テレビなどで言っているほどマスクに意味があるのかと思っています。
- フェイスシールドはすべてのこどもが付ける必要はないと思います。
- マスクありきの風潮にある種の脅威を感じます。
- マスクに感染予防効果はない。
- マスクの功罪はいろいろ意見があり、判断しかねますが、感染拡大防止の点で使用しないよりはした方が良いと思います。
- マスクの表面を触るなど(シールドなども同様ですが)かえって感染リスクが上がると思います。表面を触ったり、大きく息を吸い込んで口の中にマスクが入る、などがない人だけマスクをする意義があると思います。就学前は(ガイドラインにも推奨はありませんし)まず無理、と思います。
- マスクはもともと冬のものです。ほっぺがひどいあせもから湿疹になっている子がいます。乳幼児はもちろんですが、学童以上もできるだけつけない方がよいと思います。
- マスクは感染予防というよりも感染者が出すのを防ぐ意味が大きいので、小児の世界ではそれほど意義は大きくないと考えられます。誰が感染者か解らない頻度が高い成人では結果的に効果につながると考えます。
- マスクは感染予防にほとんど意味がないばかりか、コミュニケーションを阻害する。
- マスクは自身の感染予防にはならない(CDC・WHO)。感染者がマスクをすれば、飛沫を飛ばすのを減らし感染予防になるかも知れない(CDC)。この程度のことで熱中症や皮膚の荒れ・湿疹等マスクによる危険を増やす必要はない。
- マスクを(外した後・していないとき)に、汚染した手で顔を触れないことが重要であり、この点を理解して実行できる年齢にならないとマスクだけつけても意味がないと考えます。
- マスクをつけるのは咳やくしゃみ、鼻水が出ている時のエチケットのためだけです。子どものマスク着装による感染予防の効果は非常に低く、逆にデメリットの方が大きいと思います。
- マスク装着の意味を保護者にきちんと理解させることが先決。
- マスク着用は強制しないことです。これから暑くなりますので、保護者や園には状況に応じてと伝えています。
- ワクチンができるまでは、マスク着用は、しなければいけないと思います。(マスクの備蓄があるかぎり。)
- 意味がないと思います。
- 医療機関への受診時のマスク着用は進めるべきだと思います。2歳未満はフェースシールド着用をお願いしたいです。
- 園内ではつけない前提。(管理のしにくさ、首回りに日もヒモがある危険性回避)園外では保護者の方針。学校は保健教育の一環としてお願いしたい。
- 咳がとてもひどい時はマスクをすべきだと思いますが、咳がひどい時は登園はすべきではないので、集団生活ではマスクは不要だと思います。
- 咳嗽、鼻汁がみられる場合はマスク着用、[br]運動時、散歩、午睡などではマスク着用はしない。2歳未満のマスク着用はしない。
- 学校でのマスク着用は限定的にすべき。幼稚園以下はまして不要。やめる条件を明示せずに続けることはよくない。
- 学校薬剤師をしておりますので、担当校、園の状況について答えさせていただきました。4歳未満は、マスクの取り扱いの理解が難しいので、かえって不潔になると考えます。
- 活動量の多い子ども、また清潔に保つのも厳しい子どものマスクはできるだけつけないですめばいいと思います。手洗いやうがいをさせるので、効果が期待できないか。
- 感染症の原則である感染者から罹患するということが理解されていない。教育・保育では保育者・教諭・こどもたちの表情も大切なこと。病原体を正しく知り正しく恐れること。
- 感染予防のために、マスクや園児間の濃厚接触を避ける必要はあります。しかしながら、新しく開設された保育施設でも、設備も職員も足りていないため、些細なことでも通園させない対応をとる事が多いように思います。
- 基本的に小児からのウィルス排出が極めて少ないのは、世界的にも認められている。一方で、乳児だけでなく、思春期にいたるまで、マスクによる医学的弊害の懸念は同様に存在し、マスクによるデメリットがメリットを上回ることは明白である。本人の希望で小児がマスクをつける場合は(心理的に必要な場合も含めて)、周りの大人が全身状態を常時注視することが不可欠であると考える。
- 気候、個人の健康状態や活動量、地域の感染意識、施設の様々な条件など、個別配慮が必要と考えます。難しいところですね。
- 季節や地域の流行状況にも配慮して指導しても良いと思う。(新生児、学童などのフェースシールド使用に対しての調査も興味がある)
- 距離をとれる空間で、咳や発熱がなければマスクの装着は不要。マスクを着けている人は、個人的に調子の悪い人で飛沫で感染症を移さないために装着していると認識すべき。パンツのように皆が装着する習慣は、今後廃止すべき。感染予防効果は乏しく、お作法程度であることを専門家はもっと声を大にして言ってほしい。
- 健診がはじまりましたが、健診医も感染させないよう、しないよう注意しています。
- 呼吸だけでなく、会話においても苦痛や負担があります。精神面でも閉塞感を感じます。思春期以降、不安感が和らぐなど利点があるという方は自由につけて良いと思います。
- 公共交通機関を使用して通学している子ども以外は使用しなくても良いと思います。運動時にマスクさせることは殺人行為とも考えられます。
- 向暑の候、マスクを着用すべき場所と不要な場所の使い分けを考えるべきだと思います。
- 今回の回答は新型コロナ感染の流行時に限定してのものですが、3密を避けることはいろいろの感染症を減少させているようなので、マスクの効用もかなりあるかも知れないと考える
- 今後新型コロナウイルスと長期に亘り向き合って行くことを顧慮すれば、マスク着脱は全国一律に行わず、地域の流行状況、年齢、行動、体調、気候などに応じて行えば良いでしょう。
- ●●県●●地区はコロナの発生が3~6月で4月に1例(クラスターより感染経路判明・大人)流行地でない。大人のクラスター対策を重要と考えて、子どもは家族感染で起こってくるでしょう。子どもの世界で流行が勝手に起こることは極めて稀である。マスクのデメリットの方が大きい。園、学校は開くからには、密を避けることは出来ないところである。換気で頑張るしかない。特に通学路でのマスク着用は効果なく、夏には熱中症の危険も増す。小学校の視察をしてみると、マスクは鼻を出して口マスクの子が多かったです。リスクを0とする対策より、少なくする対策でコロナと上手に付き合うことになると考える。安部首相の学校一斉休校は無理があったように思います。検証が必要でしょう。参考書:岩田健太郎著「新型コロナウイルスの真実」は、私が日頃考えていることと一致していました。
- 子どものマスク着用に感染予防のエビデンスはありません。科学的根拠のない行動制限はデメリットしかない。
- 私の知る限りすべての幼稚園、保育園、小学校でマスクの着用を義務化しております。クラスターが発生した●●市の小学校では義務化されていたのか知りませんが、あまり意味がないように思います。
- 私自身は、教職員も、通常は、つかない方向でお勧めしています。医師会からもその方向で市教委に対して提言を出しています。
- 小さい子どものコロナリスクは極めて低いので、基本マスクはいらないと思います。ある程度大きくなれば、本人家族の意思に任せる。ただし、これからの季節、熱中症のリスクは格段に上がるので、マスク不要でいいのではないでしょうか。
- 小学校ではマスク着用を勧めてます。マスク着用が必要な場面、必要でない場面を教える事も重要と思います。集団生活をする場合、各年代で、マスク着脱ガイドラインがあると良いと思います。
- 小学生:学校の先生から質問された時、「夏の間は、登下校中、体育の時間、休み時間外で遊ぶ時など、運動中はできるだけマスクを使用しないように」と言っています。
- 小学生以上は、マスク着用の必要性及び禁忌注意点を理由とともに児童生徒に伝え、話し合ってルールを決めるなど、感染症対策を学校保健・学校教育の一環として行うことが大切です。
- 症状のある子がつけるというのが基本でしたが、今は症状が少しでもあると休みになりますので難しいですね。現在の基準ですとこの冬は学級閉鎖ばかりになりそうです
- 症状のない子へのマスクは必要ないと思います。むしろ、手洗い、うがいをしっかりする。この季節、汗疹、肌荒れ、熱中症を考えれば皆同じという強制は不要と思います。
- 回答した内容は園内や校内での話で、外来受診時は原則マスク着用で。但し、2歳以上の場合でも、ワクチン時間枠でのワクチン接種時は、泣くことも考え(基本、健康とみなし)、マスクはしなくて良いと思う。
- 場面、場所で使い分けるのが大切かと思います。屋内で3密に近い状態なら年長児~つけた方がいいと思いますが、3密でない場所、外での遊び、運動場面では必要ないと思います。また、最近のような暑さでは屋内でも厳しいかと思います。
- 状況に応じて、マスクの着脱を考えたほうがよいと思います。
- 新型コロナの流行を前提としての回答をいたしました。
- ●●県は現時点では新型コロナ感染症の患者さんが希なので、基本はマスクなしでよいと考えています。マスクの種類によっては、飛沫感染防止効果が疑問です。
- 診療圏での発症がないので、現時点では、子どもの普通の生活でのマスクは必要ないのではと思っています。ただし、スーパーや不特定の大人が多い場所に入る時には小学生はつけるように、が良いと思っています。
- 人と接触する時のみの使用で良いと思います
- 人混みでのマスク着用が感染拡大予防に効果的であるならば、幼児期からの習慣付けは無駄ではない
- 正解はあるのでしょうか?状況により、対応も変化せざるを得ない。
- 精神的障害がある患者さんは無理にはマスク着用させない。
- ●●市では基本的にマスク着用を学校が要請しているようで、登下校や授業の装着率は高いようです。保育園は3歳以上のクラスでは認可保育園では着用願いが出ていますが、着けずに登園する子が多いです。
- 大人の安心と子供の安全をよく考える。ウイルスよりも怖いのは人の目ですね。
- 地域の流行状況によると思います。また、親→子感染が主体なので、親の健康状態によると思います。
- 地域の流行状況を踏まえ地域医師会が主導し保健福祉 教育委員会と連携 し 市民に伝える体勢を構築する
- 都会の保育園や小学校は、狭くて距離をとることはできないので、マスク程度は仕方がないのではないかと考えています。もっと少人数学級(20名以下)にできれば良いのに。また、マスクをしてまで音楽の時間に歌わせるとか、フェイスガードで英語の発音練習とかのテレビ報道をみると、そこまでする必要があるのかと思ってしまいます。
- 同調圧力が強いコミュニティーでは、2才以上はマスクをつけていないと、白い目で見られるのかもしれません。生きづらいですね。
- 日本小児科学会からの2歳未満児のマスク着用についての提言が出たことをふまえての意見です
- 熱中症対策の3ナイ運動で、屋外でヒトとの距離が取れる時はマスクを外す事が推奨されています。そのキャンペーンを見るたびに、大都会では、を、つけて欲しいと思います。当地などは、車社会なので、外を歩く限り社会的距離は充分保てます。地方では、「必要な時のみマスクをつける」が正しいと思います
- 発症前のウイルス排泄を拡散させないため常にマスク、との考えがあるが、マスクの予防効果が不明。予防するなら常にサージカルマスクとフェイスシールド。アベノマスクは無意味。高学年なら意思が出てくるのでそれを尊重。
- 発達障害、感覚過敏があり、マスク着用が困難な場合、着用できない事を非難され無い社会にする事も大切だと思います。
- 発達障害のある児童はつけるのが難しい
- 病児保育室の看護師です。3密防止のありかたについて施設全体で模索中です。「保育」の現場でのマスク着用について皆さんどのようにお考えでしょうか。当施設は以前から職員の着用はもちろん厳守です。
- 布製のマスクについては感染防御にはならないと思うが、子供は症状が出ない場合でも感染している場合も考えられるので、うつさないという意味合いで考えている。小学生でも体育時はつけないほうが良いと思う。
- ●●市です。3歳以上は保育園では原則マスク着用ですが、実際は外している子が多い。強制はしていない。歌を歌うみんなで集まるときは、3密ですからマスクをしようねと指導している。屋外ではマスクはしないで水分補給をこまめにさせている。熱中症のリスクが有るため。保育中は体温チェッはしているようです。小学校では、体温チェックとマスク着用が義務づけられています。
- ●●市は、まだ、大変な時期なので、基本的には、マスクの着用は必要ですが、ほんとは、無理強いしたくはないです。
- 万が一、お互いのどちらかが感染しているときに、マスクをしていることが、濃厚接触かどうかが判断され、濃厚接触なら、2週間の休診を指示されるというのが、当市の考え方なので仕方ない
- 無症状者のマスクは全く必要ない。無症状陽性者からも感染するとの報告があるが極めて懐疑的と考えている。咳やくしゃみがある場合は飛沫防止と言う意味のみで着用を勧めるがそもそも有症であれば自宅療養を勧めるべき。
- 陽性者が出た場合、「本人」がマスクをしていないと、周囲の人がマスクをしていても感染リスクが高く濃厚接触者扱いになってしまいます。集団で集まる場合のマスクは当分必須ではないでしょうか。
- 流行状況にもよりますが、基本は付けない方がよいと思っています。フェイスシールドよりはマスクの方がまだ付ける意味としては重要だと思います。